放課後、授業が終わり、マサトはミサキとの約束通り、陸上部の部室の近くにある用具入れの倉庫で待つことにした。倉庫の中は薄暗く、奥の方にはあまり使われない古いマットや道具が山積みにされている。その隙間に身を隠し、マサトは息をひそめた。
学校への持ち込みを禁止されているスマホを取り出し、隠れてゲームをしながら時間を潰していると、ガチャリと倉庫の扉が開く音がした。マサトは慌ててスマホの画面を消し、物音を立てずにいると、二つの話し声が聞こえてきた。
「今日も帰りに空き教室でして帰ろうぜ」
男の声だ。聞き覚えのない、少し低くて乱暴な声だった。その声に、女が返す。
「いやっ……今日は友達と帰る約束してるし……」
その声は、ミサキだった。心臓がドクンと嫌な音を立てる。マサトは息をのんだ。
「はぁ? 俺がエッチしてやるって言ってるのに断るのかよ?」
男の声には苛立ちが滲んでいる。ミサキは怯えたような、か細い声で答えた。
「ん……頼んでないし……」
「いつも気持ち良さそうに潮吹いてるじゃん」
男の言葉に、マサトの脳内は真っ白になった。ミサキは震える声で否定する。
「……してないっ……いやっ……」
なんだ、この会話……。
マサトは、息をひそめて耳を澄ます。この声、ミサキっぽいけど……? 恐る恐る、マットの隙間からそっと覗くと、ミサキが制服に着替え終わったところだった。腕を掴まれ、嫌がるミサキに、男がキスをしようとしていた。
は? ミサキ!?
マサトの思考は真っ白になった。え? マジか……。ミサキが……いつも放課後に、エッチしてるのか? 頭の中を、混乱と衝撃が駆け巡る。とっさに、ポケットからスマホを取り出し、初めから撮影をしていた。興奮して、ミサキのエッチな姿を映したい、というような感情は一切なかった。ただただ、無意識に体が動いただけだった。
「仕方ねぇ〜な……ゆっくり出来ないけど……ここでしてくか」
男の言葉に、ミサトの体は震え上がった。
「いやっ……だめっ……触らないでっ……いやっ。やめて……!」
「うっさいっ。誰か来る前に早く後ろ向いて尻を出せよ」
男はミサキを無理やり壁に押し付けた。ミサキは必死に抵抗するが、男の力には敵わない。
「いやっ……! んっ……やめて……あっ……」
ミサキの悲鳴のような声が、薄暗い倉庫に響き渡った。
ミサキは少し抵抗したが、その腕を振り払うことはできず、やがて諦めたように男に従い、後ろを向いた。男はミサキのスカートを無造作に捲り上げ、パンツを下ろす。ニヤニヤと意地悪く笑いながらその姿を眺め、ズボンから息子を出すと、ミサキの顔の方へと移動した。
嫌がるミサキの口元へ、男は自分の息子を押し付けた。ミサキが観念したように口を開けると、ちゅぱっ、ちゅぱっと音を立てて男の息子を口の中に咥え始めた。信じられない光景を目の当たりにして、マサトは息をのんだ。
「やぁ……んっ……やめて……んんっ……やぁっ……」
「お前の口、やっぱ気持ち良いわ。その舌使いにその表情……そんなに俺を興奮させるなよ」
「やぁ……いやだっ……やめてっ! んっ……やぁ……」
「嫌がってる割には舐めてくれるよな……好きなんだろ?ほら……もっと舐めろよ」
ミサキは必死に首を振るが、男は構わずミサキの頭を押さえつけ、奥へと押し込もうとする。ミサキは涙を浮かべながら、それでも男の要求に応じようと、小さく舌を動かした。
「いやっ……んっ……あっ……んっ……いやぁっ!」
「時間無いし……もう良いや。入れるぞ」
男はそう言うと、ミサキの口から息子を抜き、ミサキの後ろに回った。そして、ミサキのお尻に自分の息子を押し付ける。
「あっ……んっ、んん……っ! あっ、や、やぁ……っ、だめっ……!!」
ミサキの悲鳴とも喘ぎともつかない声が、マサトの耳に届く。その声は、震えて、途切れ途切れだった。マサトは、身を隠したまま、ただその光景を、固唾をのんで見つめることしかできなかった。
じゅぷっ、じゅぷっ、と湿った音を立てて先輩の腰が動き始めた。薄暗い倉庫の中には、ミサキの喘ぎ声と男の荒い息遣いが響き渡る。
その光景を見て、マサトの脳裏には小学校時代のミサキの顔が浮かんでくる。陽の光を浴びた色素の薄い髪の毛は、赤茶色にキラキラと輝いて見えた。今と同じ肩くらいの長さで、笑うとお嬢様っぽく可愛い。けれど、仕草や行動は男の子っぽく、口を開けば少し荒っぽかった。それでも、いつも面倒見が良くて優しい、俺の好きなミサキ。
「お前の中、狭くて最高だわ……いつもよりヒクッヒクッ!ってして隠れてするのがドキドキして興奮するのか? たまには、こういうのも良いかもな……俺も、そんなお前を見てたら興奮してきたぞ」
パンッ、パンッと肌と肌がぶつかる音が響く。ミサキの「やめて」という声にも聞こえるその声に、マサトは思わず耳を塞ぎたくなるが、気になって聞かずにはいられない。他の知らない女の子だったら、もしかしたら興奮したかもしれない。だが、今、目の前でエッチされているのは、俺の好きなミサキだ。
興奮どころではない。怒りと悔しさで、内臓がひっくり返るような感覚に襲われ、吐き気がこみ上げてきた。
先輩の荒い息遣いが倉庫に響き渡る。
「あっ……そろそろ出る……どこに出して欲しいんだ?」
その言葉に、ミサキの喘ぎ声が混じった。
「いやっ……だめっ……あぁっ……」
ミサキの必死な声も、男の耳には届いていないようだった。
「いつも通り中に出してやるよ」
「いやぁ……だめっ……あぁっ……んんっ……あ……っ」
ミサキがビクッ、ビクッと体を震わせた。先輩はミサキの腰を強く掴み、勢いよくミサキの尻に押し付けている。おそらく射精しているのだろう。マサトの目の前で繰り広げられる最悪な光景に、思考が追いつかない。あれが、本当にミサキなのか?信じたくない気持ちと、現実を目の当たりにしている自分がいた。
「明日は、いつもの公園に集合な?」
男は満足したように、ミサキから体を離した。ミサキは涙を流しながら、服を直そうとする。
「明日は友達と約束してる……」
「何だよ……今日も約束してるんだよな? もしかして……男でも出来たのか?」
男の言葉に、ミサキは俯いたまま小さく答えた。
「……好きな人……に誘われたの……」
その言葉を聞いた瞬間、マサトの心臓が凍り付いた。好きな人?まさか、俺のことか?
「はっははは……好きな人に会う前に俺とセックスしてるのかよ……? お前最高だな。興奮してきた……もう1回しようぜ」
「いやっ……あっ……いやっ……やめて……あぁっ」
ミサキの悲鳴にも似た声が、マサトの心に突き刺さった。マサトは、身動き一つ取れずに、ただその場で立ち尽くすことしかできなかった。
先輩の腰が再び動き出し、パンッ、パンッと打ち付けるように激しく動いた。同時にミサキの胸を揉み始めると、ミサキはビクッ、ビクッと体を震わせた。
「お前、またイッただろ? ……この締付けたまらねえ〜。また出るぞ……」
ミサキの腰を掴み、お尻に数回激しく打ち付ける。おっぱいも激しく揺れているのが見えた。先輩は、ミサキに押し付けたまま中に射精しているようだった。
なにやってんだよ……ミサキ……。
「あぁっ……いやっ……だめっ……ううぅ……」
いつものミサキの男っぽい口調は、そこにはない。大人しく従い、言われるがまま、されるがままの状態だ。いつものように抵抗もしないのか? どうしたんだよ、ミサキ。そんな先輩が好きなのか?強引にされるのが好きなのか?混乱と失望が、マサトの心の中で渦巻く。
先輩は、ティッシュで自分の息子を拭くと、ミサキをちらっと見て、気遣う素振りも見せず、ティッシュをその場に捨てて出口に向かって歩き出した。
「じゃ。また明日な〜」
そう言い残し、先輩は倉庫から出ていった。マサトは、その場に一人残されたミサキの、小さく震える背中を見つめることしかできなかった。
先輩は、一度も振り返ることなく、一方的に明日の約束を告げて立ち去った。
一人残されたミサキは、ポケットからティッシュを取り出すと、汚れてしまった割れ目を拭き取った。震える手でパンツを履き、服を整える。そのまましばらくの間、涙目で床に座り込んでいたが、やがて立ち上がると、重い足取りで倉庫を出ていった。
マサトは、身を隠したままそのすべてを見ていた。ミサキが去った後の倉庫には、ティッシュと、言いようのない重い空気が残されていた。
俯いて涙を流すミサキを、先輩は何もなかったかのようにその場に置いて帰っていってしまった。ミサキは一人、地面に座り込んだまま嗚咽を漏らす。雨が降り始めたのか、冷たい雫がミサキの頬を叩き、地面に染みを作っていく。「ううぅ……なんで、こうなっちゃったの? わたしが何をしたの?」 別に、先輩に優しくしてほしいわけじゃない。好きでもないし、むしろ嫌いで顔も見たくない。ただもう、解放してほしいだけなのに。放っておいてほしいだけなのに。「はぁ……何が原因だったんだろ……?」 そういえば、マサトがよく言っていたことを思い出す。『お前は、そんな男っぽい性格で振る舞ってるけど、見た目は可愛いんだから気を付けろよ』と。 ミサキはその言葉を無視し、更衣室が混んでいるからと、体操服を着たままバッグと制服を抱えて空き教室を探し回っていた。これから着替えるのがバレバレだっただろう。着替えるなら、人が来ない場所に行くのもバレバレだ。それで、人が来ない空き教室に入った自分が悪かったのだろうか。わたしの着替えなんて見たい人いない、そう思っていた自分が、本当に馬鹿だった。ミサキは、雨に濡れながら、後悔の念に囚われていた。 様々な考えが頭を巡り、落ち込みながらもなんとか立ち上がろうと腰を上げた。その瞬間、ミサキの股からドロッとしたものが溢れ出てくるのが見える。それは、先輩から何度も中で出された大量の精子だった。太ももにもつーっと伝って垂れてくる。その光景を見ているだけで、ミサキは心が拒絶しているのか、ひどい吐き気を感じた。 ミサキは、先輩によってぐちゃぐちゃに汚されたアソコを、かろうじてティッシュで拭き、身なりを整えてベンチに座った。ぼんやりと空を見上げていると、マサトがミサキを探し回ってくれていたらしい。「おい。ここで先輩と待ち合わせなのか?」 マサトの問いに、ミサキは咄嗟に言葉を否定する。「ち、違うってばっ。散歩してて休んでるだけ……」「そうなのか? 随分と、ぐったりしてるし……大丈夫なのか?」「うん……ちょっと歩きすぎたのかも……べつに大丈夫だよっ」 マサトと話していると、ミサキの心に罪悪感が押し寄せてくる。彼の顔をまともに見ることができない。嘘をついている自分が、本当につらかった。「先輩と公園で約束してただろ? どこの公園なんだ? これから行くつもりなのか?」 マ
「嫌だって言う割には、触る前から濡れてるぞ? で、昨日は好きな人に入れてもらったのか? 俺が出した穴で……?」「関係ないでしょ……」「へぇ〜。その反応だと入れたんだな……。俺がたっぷり出した穴で、気持ち良いって彼氏に言ってもらえたか?んで……これからまた、たっぷり出された後で、彼氏に使用済みの穴で、彼氏がソレを入れて、俺の精子で擦られて気持ち良いって言って、また同じ穴で出されるのか?あはは……彼氏は何も知らずに最高だな……毎回俺の後だって知らずによ。んで、知らずに俺の精子が入ってるのも知らずに、舐めて濡れてるって勘違いして興奮して喜んでるんじゃね? お前の俺の精子を舐めて美味しいってよ。最高だな」 ミサキは最低で酷い言葉を投げつけられているのに、アソコがくちゅくちゅと音を立てるほど濡れていくのを感じていた。先輩に触られると、すぐに気持ちよくなってしまう。わたしも最低だね……。こうなること、本当は分かっていたのに、マサトと付き合うと言って喜んでしまった。先輩のアレを舐めた後でキスもしたし、口の中で出された後にも舌を絡ませたりした。そんな自分は、本当に最低だ。「そんなことないっ! いや……やめてっ! もう、彼氏と以外はしないっ!」 ミサキの言葉に、先輩は楽しそうに笑いながら言った。「そんなことを言ってても、初めての時もそんなことを言ってても、毎日、俺の所に通ってるじゃん」 違う。脅されて、仕方なく来ているだけだ。今は、マサトと付き合って、彼女になったんだ。マサトの彼女なのっ! ミサキはそう心の中で叫び、マサトの元に帰らなければと強く思った。彼の腕の中に帰りたい。彼の優しさに包まれたい。先輩の冷たくて、下卑た笑みから逃げ出したかった。「こんだけ濡れてれば、もう入るだろ……。それにしても、毛も生えてない小さな子供みたいな割れ目なのに、少し触っただけなのによ……こんなにドロドロでグチャグチャに濡らして、エロい汁が垂れてるぞ?挿れて欲しくてお前の穴がヒクッヒクッておねだりしてるし、もう入れるぞっ。早く尻をこっちに向けて出せよ」 先輩に酷い言葉を投げつけられ、触られているうちに、ミサキはまた抵抗することができなくなった。されるがままの状態で、何も言い返すことができない。マサト、助けて。マサトの彼女なのに……。 昨日のマサトに触られている時よりも、先輩に触られて
こんな出来事を、マサトに話せるわけがない。先輩との行為を見られても、まだミサキのことを好きだと言ってくれる。付き合ってほしいと、あんなにも優しい瞳で言ってくれたのに。先輩との時間が気持ちよかったなんて、絶対に知られたくない。毎日のように犯され、快楽に溺れてしまったことも、マサトには知られたくない。 今でさえ、ミサキが先輩に犯されているのを見て、ショックのあまりマサトのソレは萎えてしまっている。先輩が話を盛って嘘を言っていると、ミサキが必死に嘘を言っても、マサトのソレは大きくならない。このまま真実をマサトに知られてしまったら、きっとすべてが終わってしまう気がする。マサトとの関係も、マサトへの想いも。それは絶対に嫌だ、とミサキは心の中で叫んだ。「マサト……これから、どうするの?」「え? なにが?」「先輩……なにか秘策があるって言ってたけど、何をするの?」「あぁ、あのエッチをしてる動画をバラ撒くって脅せば、あいつも引き下がるだろ?無理やりエッチをさせてるわけだし」 それは、まずい。先輩も動画を撮っていた。それに、ミサキ自身が「気持ち良い」とか「我慢できない……入れて」と懇願している動画も撮られている。もしマサトが先輩に動画を見せたら、反撃されるだけで終わってしまう。そんなことをすれば、きっとマサトはミサキに幻滅するだろう。そんなの耐えられない。「そ、そうなんだ……上手くいくといいな……」「ミサキ、顔色悪いぞ?やっぱり今日、初めて……無理やりエッチされて、具合が悪くなっちゃったんじゃないか?」 ミサキは俯いて、小さく首を横に振った。ごめん、マサト。初めては、とっくの昔に奪われちゃっているんだよ……。マサトの言葉が、ミサキの心に重くのしかかった。「あ、そうかも……少し休んでるから、お風呂入ってきちゃえば?」「あ……そうだな、ちょっと待っててな」 マサトがお風呂に入っている間に、ミサキはマサトのスマホから動画を消去してしまった。自分と先輩がエッチをしている動画をマサトが持っているのも嫌だったし、もしマサトが先輩に見せに行って、先輩のスマホにある動画を見せられたら最悪だ。そんなことになれば、マサトとの関係は完全に終わってしまうだろう。ごめん……マサト……。 やがて、マサトがお風呂から上がり、部屋に戻ってきた。「具合はどうだ?」「あ、うん。少し良く
ミサキ視点 マサトの腕の中にいる。ミサキは、その温かさと優しい匂いに包まれながら、本当は嬉しくて仕方がなかった。彼の大きな手が、背中にそっと回される。その手のひらから伝わる熱が、ミサキの心の奥底に染み渡っていくようだった。こんな自分を、マサトは心配してくれている。そして、信じてくれようとしている。それどころか、「付き合わないか?」とまで言ってくれた。 小学校の低学年の頃から、ずっとマサトのことが気になっていた。いつも隣にいて、一緒に遊んでくれて、優しいマサト。その笑顔を見るたびに胸がキュンと音を立てるような、淡い恋心をずっと抱いていた。だから、本当は「うん」と頷いて、彼の腕の中で安堵の涙を流したかった。心から付き合いたいと願っていた。 あれは、ほんの数ヶ月前のことだ。陸上部の練習が終わり、更衣室が混んでいたので、ミサキは人目につかないようにと、空き教室の片隅で着替えをしていた。体育着を脱ぎ、下着姿になったその時、教室の扉がギーッと音を立てて開いた。そこに立っていたのは、部活の先輩だった。「お前、こんな所で着替えてんのか? 誘ってんだろ……それ」 先輩は、獲物を見つけたかのようにニヤニヤと下卑た笑みを浮かべ、ミサキの方へゆっくりと近づいてきた。その足音は、ミサキの鼓動に合わせてかのように、ドクドクと不気味に響く。「きゃっ! 着替えてるんで、出ていってください!」 ミサキは慌てて両手で胸とパンツを隠し、後ずさりする。背中が冷たい壁にぶつかり、もう逃げ場はなかった。ミサキの下着姿を、先輩は楽しむようにスマホのカメラで数枚、写真を撮っていた。フラッシュの光がミサキの目に焼き付く。「撮らないでください!イヤっ!」 絞り出した悲鳴は、むなしく空き教室に響くだけだった。着替える場所を人目に付かない場所にしたのは、自分自身だった。その自分の選択が、今の状況を招いてしまった。後悔と恐怖が、ミサキの心に重くのしかかる。壁に背中を押しつけられたまま、ミサキはただ震えることしかできなかった。 写真を撮られたことにミサキの思考は完全に停止していた。頭の中は真っ白で、何が起きているのかを理解するまでに時間がかかった。「え? 何で……先輩が……? わたし、どうなるの……?」 混乱するミサキの心とは裏腹に、先輩の行動は素早かった。考える間もなく、腕を掴まれ、背後から抱きし
マサトは、恥ずかしさからか、素直に「可愛い」とは言えなかった。代わりに、口から出たのは別の言葉だった。「似合ってる……」 ミサキは、その言葉に満足したように「えへへ……♪」と嬉しそうに微笑んだ。「ご機嫌だな?」「それは……マサトに告られて、付き合えることになったからねぇ〜。それに今日、お泊まりだよ?嬉しくないわけないだろっ」 ミサキの言葉に、マサトはさっきまでのことを思い出す。そういえば、ミサキがうちに泊まることになったんだっけ。「あ、そうだ! 客室で寝るだろ? 用意してくるか〜」 マサトは、慌ててベッドから立ち上がろうとした。しかし、ミサキがその手を掴む。「は? 付き合ってるんだから一緒に寝よう……? あ、さっき先輩とエッチしちゃってるからイヤだよね…………はぁ……」 ミサキの言葉に、マサトは再び思考が停止した。 ん? 俺とエッチしてもいいってこと? それとも、自分の体が汚いって思ってる?どちらにせよ、ミサキの言葉はマサトの心を大きく揺さぶった。 ミサキの言葉に、マサトは焦った。「いや、付き合ってても、まだ中学一年だし……」「ふぅ〜ん……わたしに興味がないんだ?」 ミサキは、そう言ってマサトの胸に顔を埋めた。「あるけど……」「けど……汚いって思ってるよねぇ……。ホントなら、マサトに初めてを捧げようって思ってたんだけどなぁ……最悪だよ……」 その言葉は、マサトの心に突き刺さった。ミサキは、本当に辛いんだ。「そう思ってくれてるだけで、十分嬉しいって」 マサトは、震える声でそう答えた。しかし、ミサキの言葉は止まらない。「じゃあ……キスしよ? ねぇ〜、口も洗ってきたし、キレイだよ。アソコもできるだけキレイにしてきたし……まあ……良かったらだけど……な~」「え?」 マサトが戸惑っていると、ミサキはさらに続けた。「だって……どうせなら、好きな人とエッチして、幸せな気分でいたいじゃん……。自分でも汚いって思っちゃうしさ……。マサトで上書きして欲しい……ダメかぁー? いや?」 ミサキは、マサトの返事を待たずに、そのまま抱きしめてきた。そのまま、二人はベッドに倒れ込む。ミサキは、マサトの唇に自分の唇を重ね、舌を入れてきた。マサトの舌に、ミサキの舌が絡みつく。ゾクゾクと、背筋に電流が走った。 しかし、その瞬間、さっきの倉庫での光景
ミサキは、焦った表情でマサトに問い返した。「は? え……? 倉庫って? ど、どこ……の?」「陸部……の……」 マサトの言葉に、ミサキの顔から血の気が引いていく。その瞳は大きく見開かれ、唇が震えていた。「え……!? み、見ちゃったの……!?」 力が抜けたように肩を落とし、ミサキは愕然とした表情で聞いてきた。その声は、震えていてか細い。「ミサキを待つのに陸部の倉庫の中で、スマホは持ち込みが禁止されてるから隠れてゲームして待ってたら、先輩とミサキが入ってきた……」「……そ、そっか……見られてたのか……最悪! ……わたしの人生……終わった……!! で……なに……?」 ミサキは目を逸らし、マサトから距離を取るようにベッドの上で少しずつ後退した。顔色は、マサトよりも悪いんじゃないかと思うほど青ざめている。「先輩と付き合ってるのか?」 これが、今、マサトが絶対に知りたい情報だった。もし付き合っていたのなら、俺が口出しする余地はない。話は、そこで終了だ。そして、もうミサキとは二度と会いたくない。いや、会えない。 明日からの迎えも、もう断ろう。そう心に決め、マサトはミサキの返事を待った。 ミサキは俯いたままだったが、強い口調で言った。「……付き合ってるわけ無いじゃん!!」 付き合っていないのは、先輩に「好きな人がいる」とハッキリ言っていたから分かっていた。マサトは、ただ確認のために聞いたのだ。「付き合ってなくてエッチしてるのか?」 これも重要な情報だった。もし付き合っていなくても、ミサキが好きでエッチを許しているのかもしれない。あるいは、セックスフレンドという可能性もある。「見てたなら分かるでしょ……無理やりだって……」 ミサキはそう言って、涙声になった。その言葉に、マサトは思わず反論してしまう。「でも、ミサキが抵抗しないっておかしいだろ?」 その言葉は、マサト自身にも向けられていた。ミサキは、さらに声を震わせる。「初めは抵抗してたし……力で勝てるわけ無いじゃん。それに、妹の好きな人のお兄ちゃんだし……騒ぎにしたくなくて……」 ミサキの言葉に、マサトは混乱した。「だったら、騒ぎにしなくても行かなければ良かったんじゃないの?」「……その……昨日さ……スマホで写真を撮られちゃってさ……来なきゃ皆に送るって言われて、仕方なくって感じかな…